勤務時間中にアダルトチャットルームにアクセスしたとして米IBMを解雇された男性が、
「自分はインターネット中毒であり、解雇よりも治療と同情を受けるに値する」と主張し、
500万ドルの損害賠償を求めて同社を提訴している。
この男性は、アラバマ州モンゴメリ在住のジェームズ・パチェンツァ氏(58歳)。同氏は
1969年、ベトナムで軍事パトロール中に親友が殺害されるのを目撃して以来、心的外傷
ストレスに悩まされ、その治療の一環として、チャットルームにアクセスしているという。
ニューヨーク州ホワイトプレーンズの連邦地裁に提出した書類において、パチェンツァ氏
は「自分はこのストレスにより、セックス中毒となり、その後、インターネットの発達とともに、
ネット中毒にもなっていった」と主張している。さらに同氏は、アメリカ障害者法(ADA)の
もとでの保護も主張している。
担当弁護士のマイケル・ディードリヒ氏によると、パチェンツァ氏は仕事中は決してポルノ
サイトにはアクセスしておらず、明文化されたIBMの社則にも違反しておらず、インターネット
の利用がほかの従業員と比べて長すぎたり、特に変わっていたりすることもなかった、と
主張している。またディードリヒ氏は、IBMの行動には年齢差別も影響していると指摘して
いる。パチェンツァ氏は当時55歳だったが、IBMには勤続19年で、あと1年で定年退職
できるはずだったという。
IBMはアダルトサイトへのアクセスはポリシーで明確に禁じていると主張し、スティーブン・
ロビンソン判事に略式判決を求めている。また同社は、パチェンツァ氏は解雇の4カ月前
にも問題を起こしており、既に解雇の可能性を通達されていたはずだ、と主張している。
パチェンツァ氏はこの点を否定している。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0702/20/news059.html