私学指導に教委が関与 「未履修」多発で法改正へ 文科省方針
文部科学省は19日までに、私立学校をめぐる行政に教育委員会を関与させる方針を固めた。
私学行政は都道府県の知事部局が担当するが、私立の未履修発覚高校が公立の2倍以上に達するなど、
指導の強化が必要と判断した。
文科省は近く、中央教育審議会(中教審)に教委の権限付与を含めた骨子案を提示。中教審での審議を経て、教委と首長の教育行政の
範囲の弾力化を盛り込んだ地方教育行政法改正案を今国会に提出する方針だ。
地方教育行政法は、公立学校は教委、私立は都道府県知事が管理するよう規定。知事の下に私学行政の担当課が置かれているが、
人員が少なく、教委に配置される教育課程や、学習内容を指導する指導主事など専門知識を持った職員がほとんどいない。
昨秋発覚した未履修問題は文科省調査では、公立の未履修率が9・2%にとどまる一方、私立は21・7%に達し、
学習指導要領が特に私学でないがしろにされている−との指摘が出ている。
文科省内には「私学は建学の精神を重んじるあまり、実際は何もチェックできず野放図な状態」(幹部)との批判も強い。
一方、教委の学習指導要領などの研修会では私立が対象外となっている現状を踏まえ、「サポート態勢も整っていなかった」との反省もある。
政府の教育再生会議がまとめた第1次報告で、今後の検討課題に「私学行政など教委の役割・権限の在り方」と明記。
自民党が昨年まとめた「国家戦略としての教育改革」でも「私学の自主性を尊重しつつ教委が助言・支援できるようにする」と盛り込んだ。
文科省では地方教育行政法を改正する方針で、教委と首長の教育行政の範囲の弾力化を盛り込む形で教委の私学指導関与を
可能にさせたい考え。中教審の議論を経て法改正に着手する。
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