元WBC世界バンタム級王者の辰吉丈一郎(36=大阪帝拳)が、5月に「ボクサーの定年」の37歳を迎える。
実際、周囲には引退を勧告され、試合の見通しが立たない厳しい状況だ。それでもなお、現役であり続ける。
黙々と練習をこなし、国内初の3度目の世界王座返り咲きに執念を燃やす。「世界王者のまま引退する。父ちゃんの骨を墓に納める」。
果たして、不死鳥伝説はどんな最終章を迎えるのか。「浪速のジョー」が激白した。
03年9月のアビラ戦から3年4カ月がたった。99年1月に亡くなった父粂二(くめじ)さんの遺骨は、今も自宅にある。
辰吉「普通の人ができないことをやる。世界チャンピオンになって、そのまま引退する。それで父ちゃんを(実家の岡山にある)墓に納める」
こだわるのは過去に3度獲得したWBCバンタム級のタイトルだ。
辰吉「WBAは全く興味ない。WBCのベルトが欲しい。今の王者はウィラポンじゃなく長谷川君。
誰が王者であろうと変わりはない。返してもらうだけや」
カリスマにも年齢の衰えは隠せない。背中に少し肉がついてきた。髪に白いものが交じるようになった。
辰吉「そら20代とは違うからね。でも、ボクシングが好きやから。試合ができる体をつくらないと。それができなくなったら、やめる。
普通の人にはしんどいやろけど、僕は苦痛に感じてない」
厳しい状況でも決して後ろを振り向かない。練習中の目も鋭い。
辰吉「厳しいからこそ、面白い。自分の信じた道を進む。自分のしてきたことに、何も後悔していない。
今の方が充実してるよ。今の僕に勝つ方が難しいよ。酸いも甘いも知ってるから。
最終的に結果を残したもん勝ち。終わりよければすべてよし、や」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070210-00000024-nks-fight