北「違法操業?」のカツオとマグロで外貨、タイに輸出
米国の金融制裁を受けてマカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」の口座が凍結されて以降、
北朝鮮が昨年1年間でタイに向けて冷凍のカツオやマグロ類を輸出し、26億円相当の外貨を
稼いでいることが明らかになった。
北朝鮮は世界のマグロ資源管理団体に所属しておらず、近海でもマグロ類を大量に漁獲
できないことから、水産庁では「違法操業の疑いが強い」と指摘。制裁に苦しむ北朝鮮が、
豊富な水産資源に目を付け、外貨獲得に乗り出している実態が浮上した。
今回、明らかになったのは、北朝鮮の近海ではほとんど捕獲できないカツオやキハダマグロといった
冷凍魚類の大量輸出。
北朝鮮からタイへのカツオ、マグロ類の輸出は、03年から始まったものの、05年は974トンと
極めて少なかった。しかし、金融制裁で口座が凍結された06年には、前年の18倍にもあたる
約1万7400トンを輸出。
(中略)
独立行政法人「水産総合研究センター遠洋水産研究所」(静岡市)では、「北朝鮮の近海で
これだけの量のカツオ、マグロを取ることは考えにくい」と話す。また、水産庁は、「カツオ、マグロ類は
世界的に資源を管理している。北朝鮮の操業は違法の可能性が極めて高い」としている。
違法操業が確認された場合、マグロ資源管理団体の加盟国すべての合意があれば、輸入を
止める措置を取ることも可能という。
(2007年2月6日3時0分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070206it01.htm?from=top