【北方領土の日】 麻生の奇論は論外。安倍はもっとしっかりしれ
きょうは「北方領土の日」。きのう東京・新宿では、「北方領土返還行進」の横断幕を掲げた
デモ行進が行われた。参加した上坂冬子さんにとっては、ノンフィクション作品の主要なテーマと
いうだけではない。
▼自らの本籍地を国後島に移し、「たったひとりの返還運動」を行ってきた。昨夏、歯舞海域で
起きた日本漁船の銃撃事件の真相についても、船長から聞き出している。そこで明らかになった
のは、自国の領海で、自国民が外国人に殺された重大事件に対して、なすすべもない日本という
国の情けなさだ。
▼最近は、「四島一括返還」の原則を崩して、面積で二分するという“奇論”まで出回る始末だ。
上坂さんは5日付「正論」で、居ても立ってもいられない心情を吐露している。「これでは
愛国心が持てない」。近著の題名にこめた思いは、だれよりも安倍晋三首相に向けられている。
▼拉致問題をめぐっても、不穏な動きが出ている。8日から北京で核問題に関する6カ国協議が
再開されるが、これまでのところ北朝鮮のペースで進んできた印象が強い。何より、イラク問題
を抱える米国が融和策に転じることが心配だ。拉致で進展がなければ、制裁を緩めることは
できない。この姿勢を日本は守ることができるのか。
▼日本独自の経済制裁の発動について、昨年末横田めぐみさんの母、早紀江さんが、小紙の
取材にこう語ったばかりである。「やっと普通になった。日本の国として、今までがおかし
かった」。
▼週刊誌によると、柳沢伯夫厚生労働相は、例の「産む機械」発言で、奥さんからこっぴどく
しかられたそうだ。そのかいなくさらなる“問題発言”。安倍内閣はいつまで女性陣の
叱咤(しった)激励が必要なのだろう。
http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/sankeisho/070207/sks070207000.htm ノンフィクション作家・上坂冬子 これで愛国心を持てというのか
http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/seiron/070205/srn070205000.htm