毎日新聞連載「ネット君臨」で考える取材の可視化問題
ここでは、「ネット君臨」がもたらした「取材」という行為の正当性と可視化についての問題について、
少し考えてみたい。「ネット君臨」における取材行為は、その問題を考えるための格好のケーススタディ
になっているように思われたからだ。(中略)
この記事は毎日新聞のウェブサイトにも転載され、さらに同紙の会員制サイト「まいまいクラブ」に
取材班の特設ブログも設置された。そしてこのブログのコメント欄に、がんだるふ氏は抗議のコメント
を寄せた。次のような内容である。
| ここまで、恣意的に発言を処理されるとは思いませんでした。(引用略)
(中略)この取材はいったいどのように行われ、どのように紙面化されたのだろうか。その経緯に
ついて知りたいと思い、私はがんだるふ氏に会い、インタビューした。彼の証言をもとに、取材
の経緯を再構成してみたい。
がんだるふ氏に毎日新聞のI記者からメールで取材申し込みがあったのは、昨年十二月十四日のこと
である。メールといっても、mainichi.co.jpのドメインからではなく、ミクシィ上のメッセージだった。
おそらく、がんだるふ氏がミクシィ上で活動していたため、ミクシィでしか連絡を取る方法を思い
つかなかったのではないかと思われる。「私は今、ネット上での言論のあり方について取材をしてます。
さくらちゃんの募金活動では、がんだるふさんの提起された議論が注目されました。是非お会いして、
お話を伺いたいと思っています」という趣旨だった。毎日新聞社会部という所属と名前は書かれていた
が、シグナチャーなどもなく、本当にそのIと名乗る人物が毎日の記者かどうかを確認する方法はな
かった。おまけにミクシィのプロフィールもほとんど内容がなく、公開情報は名前のローマ字表記と
「性別:男性」「趣味:テレビ」「自己紹介:よろしくお願いします」のみ。マイミクもわずか四人しか
いないという属性では、毎日の記者と言われてもにわかには信じがたかった。「何かの釣りなのか?」と
がんだるふ氏は疑った。(長文なので略)
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