18日付の米紙ワシントン・ポストによると、イラクのマリキ首相は17日、
ブッシュ米大統領がフセイン元大統領の死刑執行について「報復殺人の
ようだった」と語ったことなどに強い不快感を表明した。特に、マリキ政権が
イラク安定化実現への「猶予期間にある」とライス国務長官が語った
ことに対し、「テロリストの士気を高める」と厳しく反発した。
マリキ首相はまた「我々の軍隊への武器供給を加速するという合意を
実現すれば、3〜6カ月で米軍の必要性は劇的に低下する」と指摘した。
武装勢力などに渡るのを警戒する米国が、イラク治安部隊への武器供給に
消極的なことへの不満を公言し、武器供給の加速を要求したものだ。
こうしたブッシュ政権への批判発言は両者間の確執をうかがわせるが、
スノー米大統領報道官は18日の定例会見で「マリキ首相には自らの
(国内)政治的な考慮がある。彼は我々と争っているのではない」などと
寛容な対応を見せ、両政府間に「亀裂」はないとの弁明に終始した。
イラクでの成功への「最後の賭け」として米軍増派を核にした新政策を
発表したブッシュ政権にとって、マリキ首相は「頼みの綱」だけに、
腫れ物に触るかのような対応を強いられている。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20070121k0000m030042000c.html