富士重工業は10日、航空宇宙カンパニー半田工場新組立棟(愛知県半田市)で製造していた次世代旅客機、
ボーイング『787ドリームライナー』の初号機用中央翼を出荷した。今回の出荷品は、完成構造部位として、
米国、イタリア、日本など世界各国で展開されている787プログラムの先陣を切るもの。
中央翼は左右の主翼と胴体を結合する機体構造の心臓部であり、また、製造工程上も期待組み立ての起点と
なる要の部位である。同社は、ボーイング『777』でアルミ合金を主体とした中央翼を担当しているが、今回の
787はボーイングの旅客機として初めて主要構造に東炭素繊維複合材(東レ製)を適用した。
同社は、これまで数々の複合材部品や中央翼を含む主翼の開発・製造を行ってきており、今回のプロジェクト
では、これまで培ってきた設計・製造技術、ノウハウを結集している。また、米国ボーイング社や他のパートナー、
海外サプライヤーとの世界的な連携関係を構築し、徹底した管理を行うことにより、当初計画通り今回の出荷に
いたったという。
富士重工では、今後もボーイング787プログラムの成功へ邁進していくとともに、自社の技術をさらに磨き、
世界の航空機産業に確固たる地位を気づくように努めていくとしている。
http://response.jp/issue/2007/0111/article90076_1.html