年末年始のNHKは気の毒にもサンドバッグ状態。批判の対象は「紅白歌合戦」と「青海チベット鉄道」。
「紅白」は言わずもがなの猥褻(わいせつ)事件、「青海」は中国がチベットでやってきたことにいっさい触れる
ことなく、雲の上を走る鉄道の賛美に終始したことが問題視されている。
猥褻事件は、視聴率を少しでも稼ぎたいというスケベ心が裏目に出た、いわば事故。今後も「紅白」を続ける
つもりなら、視聴率競争は民放に任せ、己の信念に基づいた内容で勝負すればいい。髪が長いという理由だ
けで、絶頂期にあったグループサウンズの出演を拒否していたNHKが懐かしい。
「青海」については早計な判断は慎みたい。「NHKはどこの国の放送局かわからない」という批判も多いが、
日本の国益を守るにはさまざまな戦略・戦術があるはず。中国にべったりというNHKの伝統的スタンスには、
日本の国益を守る深慮遠謀(しんりょえんぼう)があるのやもしれないからだ。
なにしろ日本の知性が集まったNHKである。
それはそれとして、昭和天皇に有罪判決を下した女性国際戦犯法廷、あの茶番を取り上げた番組をめぐる
朝日新聞とのどつき合いは、あれでおしまいなのか。番組内容の改編を求める政治家の圧力はあったのか?
「なかった」というNHK、「あった」という朝日のどちらもウソをついてない、なんてことはあり得ないわけで、
そこを曖昧(あいまい)なまま幕を引いてしまうのは、報道機関として自殺行為。優秀な記者を多数擁する
NHK、その取材力で一刻も早い真相解明を期待したい。
そして受信料問題。NHKは放送法を根拠に、1000万件近い未契約者に対して民事訴訟に向けた手続きを
始めているらしい。おそらくは、だれが見ても悪質と思われるケースを抽出して訴訟を起こすのだろう。
ならば、最適の人物がいる。『NHK受信料拒否の論理』を著している朝日新聞OBの本多勝一氏である。
法廷闘争で本多氏を打ち負かせば、彼の尻馬に乗って不払い・未契約を決め込んでいた輩も「このままで
いいのか」と考え始めると思うのだが、いかがだろうか
iza
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/34486/