Google、3ギガピクセルの地上望遠鏡プロジェクトに参加 (MYCOMジャーナル)
米Large Synoptic Survey Telescope(LSST)は、口径8.4メートルの地上望遠鏡の建設を目指すLSST
プロジェクトに、米Googleが参加したことを明らかにした。このLSST望遠鏡は30億ピクセルという
超高精細デジタルカメラを搭載するもので、2013年の科学観測開始を計画している。
LSSTプロジェクトは、2003年に米国立光学天文台(NOAO)、アリゾナ大学、ワシントン大学らが設立。
その後、カリフォルニア工科大学、ローレンス・リバモア国立研究所なども参加し、現在ではGoogleも
含め、20の大学・研究所・企業によって構成されている。LSSTの望遠鏡は口径8.4メートルと、ハワイ
島マウナケア山頂にある日本のすばる望遠鏡(8.2m)に匹敵する大きさになる。
チリのセロ・パチョン山頂に建設されることがすでに決定しており、可視光での全天サーベイ観測を
行う。超新星爆発、地球近傍の100メートルクラスの小惑星、カイパーベルト天体などの観測のほか、
宇宙のダークマター・ダークエネルギーの解明なども期待されている。
LSST望遠鏡には30億ピクセルという超高精細デジタルカメラが搭載され、その観測イメージは毎晩
30TB以上になるという。この膨大なデータを活用するためにGoogleが協力するもので、具体的には、
(1)観測されたデータの組織化、(2)24時間運用でデータを処理・解析、(3)LSSTの成果を一般や研究者
にリアルタイムで提供、(4)並列データシステムの管理--などを行う。
米Google バイスプレジデントのWilliam Coughran氏は、「Googleのミッションは、世界の情報を取得して、
それを広く役立てるようにすることだ。LSSTからのデータは重要なものと考えており、我々がこのプロ
ジェクトに関与することで、より簡単に利用できるようになると期待している」とコメントしている。
http://journal.mycom.co.jp/news/2007/01/09/385.html