昨年8月に行われた福岡市立小中学校の教員採用の2次試験問題が
漏えいした問題で、市教委は6日、市教委ナンバー3の理事(60)が、
元同市立小学校長(65)(2002年3月退職)に問題案の内容を
口頭で漏らしていた疑いが強いと発表した。
2人は福岡教育大(福岡県宗像市)のOBで、元校長は入手した内容を
基に「予想問題」を作り、同大学の同窓会が卒業生を対象に試験直前に
開いた勉強会で配布していたという。
市教委の聞き取り調査によると、元校長が7月下旬か8月上旬、
市教委理事室を訪ねた際、2次試験対策が話題になり、理事は
出題テーマとして「障害児学級」などのキーワードを伝えた。
調査に対し、元校長は「2次試験に出るとは思わず、記憶と長年の経験を
元に予想問題を作成した」と話し、漏えいの認識については否定したという。
しかし、予想問題の23テーマのうち19テーマは、実際の試験問題と内容が
ほぼ一致していた。残りの4テーマも理事をトップに市教委幹部11人で
構成する「試験問題検討委員会」で検討したが外されたものだったことから、
市教委は「記憶だけで問題を再現するのは難しく、問題案そのものが
漏えいした可能性も否定できない」として、さらに調査する方針。
一方、勉強会に参加した約50人のうち約20人が予想問題を「見た」と回答した。
元校長は、現在は市の非常勤嘱託職員で今月1日から行方不明。理事は自宅療養中という。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070106i514.htm