【ワシントン=山本秀也】米国の大手インターネット企業「アメリカ・オンライン」(AOL)の
テッド・レオンシス副会長(50)が、南京事件(1937年)に取材した映画「南京」(仮題)を制作し、
年明け以降、発表する。ドキュメンタリー作品の体裁だが、史実の認定は反日的な歴史観で知られる
中国系米国人作家、故アイリス・チャン氏の「レイプ・オブ・南京」を踏まえているとされる。
公開されれば来年70周年を迎える同事件や歴史問題をめぐり、日本の国際的立場に深刻な影響を与える可能性もある。
■AOL副会長制作
AOLの米国広報では、レオンシス氏による「南京」の制作を確認する一方、
同社は制作に関与していないとしている。
レオンシス氏は「アガペ」という映像プロダクションを設立し、映画参入の第1作として制作に取り組んでいる。
制作情報をまとめると、「南京」は事件に関連した記録や事件関係者への取材映像に
俳優のナレーションを織り交ぜる構成で、「欧米人が語る南京事件」に重点が置かれる。
音楽はグラミー賞を受賞したロック界の大御所ルー・リードが担当するという。
作品は来年、米国内で開かれる映画祭で発表の予定だ。
米紙ワシントン・ポストによれば、中国市場に向けてDVDの販売が計画されるほか、
国営中国中央テレビ(CCTV)が作品放映権を獲得しているという。
南京事件に関心を抱いた理由について、レオンシス氏は、保養中に読んだアイリス・チャン氏の自殺
(2004年)をめぐる古新聞の記事がきっかけだったと同紙に説明。
これまでの報道では、作品がチャン氏の「レイプ・オブ・南京」をベースにした内容となることが強く示唆されていた。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/29119/