長野県小谷(おたり)村で山村留学の寄宿施設を運営するNPO法人「小谷山村留学育成会」が、
来年3月での活動休止を決めた。警視庁に詐欺容疑で家宅捜索を受けたIP電話会社「近未来通信」
が閉鎖したことで約400万円の寄付金が受けられなくなったことや、地元小学校の統合などが要因だ。
都会から来た6人の子どもたちは施設の存続を願っている。
寄宿施設「おたり山村交流センター」には、千葉、兵庫、埼玉から来た小学生4人、中学生2人が共
同生活をしている。
村は複式学級の解消を目的に、85年から山村留学事業を進めてきた。だが、少子化で今年4月に村
内の3小学校を1校に統合したのに合わせ、昨年度で事業を中止。受け皿として、育成会が事業主体と
なった。
今年に入り、施設の存在を知った近未来通信の社長が地元を訪れ、テレビ電話などを提供。同社は
400万円の寄付も約束していたという。ところが11月に詐欺疑惑が出て寄付の話も立ち消えに。施設
は今年見込んでいる約500万円の赤字の解消ができなくなった。家族らと話すのに使われていたテレ
ビ電話も使えなくなった。
村は「統合校に留学生を受け入れるスペースがない」と、新規留学生の受け入れの自粛を育成会側
に要請。育成会は25日の理事会で活動休止を決定した。支援者探しも続けるという。
子どもたちは冬休みのため、27日に帰省した。千葉市から弟と2人で留学している中学1年の大山美
雪さん(12)は「スキーをしたり地元の人と交流したり、都会にいるよりずっと楽しい。来年戻って来たい」
と話している。
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200612280334.html NPO法人小谷山村留学育成会・おたり山村交流センター
http://www.valley.ne.jp/~sanryu/