モスクワ──ロシア宇宙庁(RSA)は26日、有人月面探査を目指す中国の
宇宙計画に協力する意向を明らかにした。ただし、技術協力に関しては制限を
設け、主要技術については供与しないとしている。
RSAのペルミノフ長官は、「中国の宇宙関連技術は、我々から30年ほど
遅れている。しかし、ここ数年は急速に躍進している」と述べ、中国の
宇宙計画に協力していくと述べた。
中国は2003年に初めて、有人宇宙飛行船を打ち上げ、05年の打ち上げにも
成功している。これらの計画は、ロシアが売却した基本技術が基になっていた。
中国は来年にも、有人宇宙飛行船の打ち上げを計画しており、
2010年までに月に宇宙基地を作りたいとしている。
ペルミノフ長官は、今後の中国の宇宙計画には協力するが、技術は
供与しないと明言。「宇宙関連技術は国家機密であり、中国には
いかなる技術も提供しない」と述べている。
また、技術をロシア外へ持ち出した場合は、厳しく罰せられるとしている。
中国とロシアは、91年にソビエト連邦の崩壊後、米国に対抗するために、
戦略的な面で協力している。しかし、ロシア内では、成長が著しい中国が
ロシアの脅威になるとして、この方針に警戒心を示す声も挙がっている。
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200612270037.html