ニュー速+のスレタイって美的センスのかけらも無いな

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1知ったか
今年10月末、2ちゃんねるで「姉ちゃんの自作詩集発見した」というスレッドが
盛り上がりを見せていた。弟が本人に内緒で、姉が幼いころに書いた詩を
一篇ずつアップしていくというものだ。詩集といっても「姉ちゃん」にとっては、
日記のようなものだったろう。度がすぎて自分をからかったお父さんに「りこんします」と
いってみたり、両親も家族も友だちもみな大好きという気持ちを
「私は浮気な魔性の女…」と表現してみたり。きっと今日学校で体験したであろうこと、
読んだであろう本のことなどを、素直に、時にシュールに、あるいはブラックに
綴っているようだった。その無防備なほどの剥き出しの感性が反響を呼び、ブログやmixiなどでもたちまち話題となった。

本作品はそれを受けて緊急出版されたものだ。デジタル読書向けにも、au対応「よみっち」などで同時発売された。

本家の2ちゃんねるやまとめサイトなどでは、詩につづくレス群も詩に負けない力を
持っていた。今回の書籍化・電子書籍化にあたり一読者としてもやや不安だったのは、
それらのレスが削がれ『姉ちゃんの詩集』単体でそのよさが伝わるかどうかということだった。

しかしそれは全くの杞憂だった。多くの「名無しさん(以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします)」のレスを、
マンガ家の吉田戦車氏による「まえがき」が代弁してくれたように思う。
また、各章のおわりに「姉ちゃん」の書き下ろしエッセイが添えられ、弟のことや詩を
書いたころの心情などが語られて、子どものころの「姉ちゃん」と大人になった
「姉ちゃん」とのコントラストが鮮やかな印象に仕上がっている。

もちろん、本になっても「姉ちゃんの詩」のパワーは健在だ。電車の中やカフェや
レストランなど、公共の場所で読むのは、「フツーにだめー」な詩集。
今年最後に楽しい話題を提供してくれた作品だ。

http://book.asahi.com/trendwatch/TKY200612230196.html