<三洋信販問題>12日間、全店に業務停止命令 金融庁 [ 12月20日 21時02分 ]
金融庁は20日、過払い利息の返還を請求した債務者に取引履歴が無いと虚偽の回答をしたとして、
消費者金融大手の三洋信販(福岡市)の約220の全店舗を対象に、来年1月15日から12日間、返
済金の受け取りを除く全業務を停止する命令を出した。消費者金融大手に対する全店業務停止命令
としては、今年4月のアイフルの3日間を上回り、これまでで最も重い。
金融庁によると、三洋信販本社で訴訟を担当していた元債権法務課長(52)=11月1日付で諭旨
免職=は04年1月以降、顧客から取引履歴の開示を求められた際に、保存していないと虚偽の回答
をした事例が497件あったほか、開示拒否が35件あった。虚偽回答した際に過去の返済額を少なく
見積もった「推定計算書」を提出して、本来返還すべき金額より低額で和解したり、裁判所に改ざんし
た書類を提出したケースもあった。
債務者が過払い利息の返還を請求する場合、過去の返済実績を記録した取引履歴の開示を業者
に求めたうえで、利息制限法の上限金利(年15〜20%)で計算し直し、過払い額を算出する。貸金
業規制法は取引履歴の開示を義務付けているが、同課長は履歴を隠すなどして返済実績を少なくみ
せかけ、返還額を抑えようとしていた。
金融庁は、同社が過払い利息返還額を抑制すると評価が上がる人事制度を採っていたことが不正
を助長した可能性があるとして、同社の内部管理体制に重大な欠陥があったと判断。抜本的な法令
順守体制の改善を求めるうえで、長期間の業務の停止が必要と判断した。
処分を受けて三洋信販の松本睦彦社長は20日夕会見し、「ご迷惑をかけたことを深くおわびしたい」
と陳謝。松本社長と椎木正和会長の報酬を12月から3カ月間30%カットするなどの社内処分を発表
した。【坂井隆之、石田宗久】
http://excite.co.jp/News/economy/20061220210200/20061221M20.087.html