台湾の半導体企業、アルチップ・テクノロジーズとTSMCは12日、1秒間の演算処理回数が2000兆フロップスと、
現在の世界最速スーパーコンピューターの約7倍の計算速度を実現するプロセッサーチップの共同試作に成功したと発表した。
東大の平木敬教授らが開発したチップを試作したもので、
これにより2008年度にも世界最速のスパコンを完成させるめどが立ったという。
試作したのは世界最速の5120億フロップスの能力をもつチップ。平木教授は
「2000兆フロップスのスパコンを可能にするには4000個のチップが必要。今月中にも量産に入りたい」
とし、早期の目標達成に期待を示した。
約100個用いたシステムなら、天体やナノテクノロジーのシミュレーションを
20キロワット以下の消費電力と約5000万円のコストで可能という。
世界のスパコン処理速度ランキング
順位 設置 (国) 開発会社 システム名 性能(兆FLOPS)
1 ローレンスリバモア研究所 (米) IBM BlueGene/L 280.6
2 サンディア研究所 (米) 米クレイ Red Storm 101.4
3 IBMワトソン研究センター (米) IBM BlueGene 91.29
4 ローレンスリバモア研究所 (米) IBM ASC Purple 75.76
5 バルセロナ・スーパー IBM MareNostrum 62.63
コンピューティング・センター (スペイン)
6 サンディア研究所 (米) デル Thunderbird 53.0
7 原子力公社 (仏) 仏ブルSA Tera-10 52.84
8 航空宇宙局 (米) 米SGI Colombia 51.87
9 東京工業大学 (日本) NEC TSUBAME 47.38
10 オークリッジ研究所 (米) クレイ Jaguar 43.48
※米トップ500機構調べ(2006年11月時点)。
FLOPSは1秒間に実行できる浮動小数点演算の回数
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200612130018a.nwc