いじめ自殺で学校や教育委員会の真相隠しが問題となる中、自殺や校内の事故で子どもを
亡くした親らでつくる「全国学校事故・事件を語る会」(事務局・たつの市)が十二日、文部科学省に、
事実を調べる第三者機関の設置などを申し入れる。会には学校の体質を知る教員もおり、
「このままでは悲劇はなくならない」と訴える。(徳永恭子、霍見真一郎)
同会代表世話人の内海千春さん(47)=たつの市。一九九四年、小学生の長男=当時(11)=
が担任に平手でほおなどを殴られた後、命を絶った。学校は詳細を語らず、報告書に「管理外の
事故死・原因不明」と書いた。
両親は何度も学校に真相解明を申し入れ、検察は担任を略式起訴。それでも、学校は動かなかった。
結局、市を訴えた裁判に勝つまで、わが子の死をめぐる“真実”を知ることはできなかった。
公立中教諭の内海さんは「学校は『子どもを動揺させないように』と沈静化に終始する。真相究明の
調査は教師の仕事ではない」と語る。
川西市の宮脇勝哉さん(48)も、中学生だった長男=当時(13)=を、部活動中の熱中症で失った。
やはり、真相究明は壁にぶつかり、市が設置した「子どもの人権オンブズパーソン」の調査で、ようやく
顧問教諭の過失が認定された。
宮脇さんも教師。「列車や航空機の事故には調査委員会があるが、校内で起きたことを誰が客観的に
調査できるか。強い権限を持った第三者機関が必要」と強調する。
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000188387.shtml