「あの漫画をもう一度読みたい」――。そんな少女漫画ファンが目を輝かせる私設図書館が
日の出町大久野にある。「少女まんが館」、略して“女ま館(じょ かん)”。
1950年代から現在までの雑誌、単行本など計約3万冊が収蔵され、国内の少女漫画の
歴史をたどることができるとともに、思い出の漫画に出会うことも可能だ。
同館が開館したのは2002年8月。きっかけは、管理人を務める作家中野純さん(45)の
妻、大井夏代さん(45)が「たくさんの少女漫画に囲まれて寝ながら読むことができたらなあ」という、
冗談のような言葉だった。
1997年ごろから、ネットで知り合った少女漫画ファンの仲間とともに、作品収集を始めた。
「当初は軽い気持ちだった」が、雑誌などに紹介された後、全国のファンからの寄贈が相次ぎ、
「後には引けなくなった」という。
明治時代に建てられた古民家を利用したこの図書館は和室、縁側などもそのままで、
座布団や長火鉢が置かれ、国内で少女漫画が社会的に広がりを見せた70年代の雰囲気を
意識しているという。来館者は庭や縁側など、どこでも自由なスタイルで作品を読むことが可能で、
何時間でもくつろげる滞在型図書館として愛されている。
開館当初は地元の小学生が中心だった来館者だが、「あしたのジョー」などのちばてつやさんや、
「銀河鉄道999」などの松本零士さんら有名漫画家が、駆けだし時代に雑誌に掲載した少女漫画も
所蔵されていることなどがファンに知られるにつれて来場者が増え、今では東北地方や九州地方から
の来館者もある。
中野さんは「ファンにとって大切な場所、どこを探してもなかった作品が置いてある――、
そんな場所にしたい」と話している。作品の寄贈は随時受け付けているという。
毎週木曜日午後1〜6時開館。入場無料、貸し出し不可。予約があれば木曜日以外も開館可能。
詳細は同館のホームページ(www.nerimadors.or.jp/〜jomakan/)へ。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/news001.htm?from=os1