【谷村ジンジ採活日記】インターンという名の「妨害」
2008年採用で流行しそうなのが、「他社への就活を妨害」する「拘束型インターン」である。
セミナーや選考など、就職活動真っ只中の時期にインターンシップを実施し、他社への就職
活動を妨害。早期で内定を出し、囲い込んでしまうのである。インターン→早期内定を実施
する手法は以前から外資系企業やベンチャー企業でよく見受けられたが、07年採用あたりから
はそれ以外の企業にも広がりを見せた。
学生から聞いたところ、楽天は06年の2月〜3月にインターンシップを実施した。ちょうど
ホリエモン騒動の真っ只中で、IT系企業のイメージが大暴落していた頃ではあったが、
六本木ヒルズでインターンを体験できるのは学生にとっては魅力的ではある。結果としては、
学生の獲得には直結しなかったという声も聞こえてはきているが、就職活動が忙しい時期
に学生を囲い込むために効果的な手法といえるだろう。
一方、各社の人事担当者から非難を浴びたのが、まさに新卒採用の必要悪、リクナビを運営
するリクルートのインターンである。各企業が最終面接などを進める3月中旬〜下旬に実施。
参加した学生は他社の最終面接に参加できなくなってしまう。「リクナビに掲載しないと、
新卒採用する企業として認知されませんよ」という強気な営業をしつつも、他社の採用活動は
しっかり妨害するというのはいかがなものか。まあいい。売り手市場下の新卒採用は仁義なき
戦いなのだから。
今年はこれを上回るような、えげつない妨害型、拘束型のインターンシップが流行しそうな
予感である。現に各社から、春のインターンを開催するという声が多数聞こえてきている。
もちろん、インターン→早期内定で学生を囲い込むためである。最近、聞こえてきた情報では、
P&Gはもうすでに、インターン生に対して内定を出した。恐らく、倫理憲章にサインをしない
外資系企業やベンチャー企業は同じような動きをするだろう。
インターン→早期内定に限らず、各社ともに08年採用は倫理憲章を無視する企業が増えそうな
予感である。
http://news.ameba.jp/2006/11/sp1130f_2.php