学生争奪、中国の陣 説明会や入試、現地で
2006年11月28日13時49分
「少子化社会」を迎え、私立、国公立を問わず国内の大学で、
中国を中心としたアジアの留学生の獲得競争が熱を帯びている。日本は間もなく募集定員と受験者数がほぼ並ぶ
「大学全入時代」。各大学は「国際競争に勝つ優秀な学生の確保」や「定員の確保」などを目指し、
海外での留学生争奪戦を繰り広げている。
北京の首都師範大で今月6日、日本の12大学が中国の学生向けに大学院留学の合同説明会を初めて開いた。
北海道大、東北大、東大、名古屋大、広島大、九州大などがブースを設け、約250人の中国人学生に
パンフレットを配ったり、奨学制度を説明したりした。
中略
関西での海外入試の先がけは、大阪産業大(大阪府大東市)だった。
99年から中国で3学部と短大、大学院2研究科で実施し、留学生の授業料を半額免除する制度も始めた。
06年には中国、韓国の4会場で入試をし、毎年100人近くが受験している。
木村建一朗・入試戦略担当部長は「この数年で海外の競争は激化している。内モンゴルの日本語学校で、
40近い日本の大学が入試をする例もある」と話す。
日本学生支援機構によると、日本の大学や短大などへの留学生数は05年5月1日現在で12万1812人。
中国からが最も多く、うち8万592人を占める。
○就労目的に懸念、募集増は慎重に
留学生事情に詳しい山陽学園大の班偉(はんい)教授(日中文化交流史)の話
90年代末から北京、上海で入試を始める日本の大学が出始めた。仲介をビジネスにする業者も出ている。
中国は大学進学者の急増で就職できない卒業生が半数近くに上る現状があり、日系企業に就職しやすいなど
の利点がある留学への希望者が増えている。ただ、就労目的で受験する恐れもあり、募集を急激に増やすのは
慎重な方がいいのではないか。
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200611280271.html