PHS最大手のウィルコム(東京)は25日、FMラジオ局大手のJ−WAVE(同)
と業務提携することで合意したことを明らかにした。近く発表する。J−WAVEのイン
ターネットラジオをウィルコムのPHS端末向けに配信することを軸にした音楽サービス
を年内に開始する。端末販売が好調なウィルコムは今後、コンテンツ(情報の内容)など
付加サービスに力を入れる方針だ。
パソコン機能を搭載したウィルコムのPHS端末「W−ZERO3」シリーズで、J−
WAVEのパソコン向け無料ネットラジオを簡単に視聴できるようにする。当初は生放送
の配信が中心だが、今後はダウンロードなど楽曲販売の仕組みも検討する。双方向による
視聴者からの音楽リクエストなど新たなサービスも予定している。
欧米で普及が進むネットラジオをめぐり、日本のラジオ業界も今年になって相次いで参
入。J−WAVEは、パソコン以外のモバイル端末で視聴機会を増やせば、広告収入増に
つながる。一方、ウィルコムにとっても音楽番組中心のJ−WAVEと提携することで、
音楽に関心の高い20〜30歳代の新規開拓を狙えると判断した。
ウィルコムの契約数は400万人超と順調に伸びているが、加入者1人あたりの月間平
均収入は約4000円と携帯電話に比べて2000円以上低く、単価の引き上げが課題だっ
た。このため、付加価値の高いサービスの一環として音楽コンテンツを追加する。
一方、飽和感が広がる携帯業界でも、音楽やゲームなどコンテンツの囲い込みが加速し
ている。最近ではKDDI(au)がFMラジオ局のエフエム東京と提携し、国内初のデ
ジタルラジオが視聴できる携帯端末を12月に投入すると発表した。今後はPHSのウィ
ルコムを含め、さらに競争が激化しそうだ。
ttp://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/it/internet/29162