胎児の父親を特定する「出生前親子鑑定」について、日本人類遺伝学会と日本遺伝子
診療学会は20日、法的な措置の場合を除き、鑑定の前提となる妊婦からの羊水採取
などを実施しないよう求める要望書を日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会に送付した。
国内の複数企業がインターネットなどで「鑑定する」と宣伝しているが、人類遺伝学会などは、
安易な妊娠中絶や不適切な遺伝情報の使用につながる恐れがあると指摘している。
出生前親子鑑定は、羊水などに含まれる胎児の細胞を妊婦から採取し、そのDNAを
解析して鑑定する。鑑定に必要な羊水採取などは産婦人科医に依頼する必要がある。
人類遺伝学会によると、鑑定ビジネスの実態は不明だが、「紹介できる病院がある」などと
ホームページなどに記載している企業もあるという。
遺伝性疾患などを対象とした医療目的の出生前診断については、関連学会がまとめた
ガイドラインがあるが、出生前親子鑑定は対象ではない。
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061121k0000m040074000c.html