<卵>「心筋梗塞予防で制限は根拠なし」 厚労省研究班
卵を食べる頻度と、心筋梗塞にかかる割合は特に関係がないとの結果が、厚生労働省研究班
(担当研究者・中村保幸・京都女子大教授)の9万人規模の追跡調査で出た。コレステロールが
高い人は、心筋梗塞(こうそく)予防の一環として卵の摂取を避けるよう指導されることが
多いが、研究班は「心筋梗塞予防のために卵を制限する根拠は得られなかった」と結論づけた。
調査は90〜93年、全国の40〜69歳の男女に卵を食べる頻度を尋ね、計9万735人から
回答を得た。そのうち約3万3000人は、血中の総コレステロールの値も調べた。01年末
まで追跡調査した結果、462人が心筋梗塞を発症した。
卵を食べる日が「週に1日未満」と答えた人が心筋梗塞を起こした率は、「ほぼ毎日食べる」人の
約1.2倍で統計的には同等の範囲だった。総コレステロールの値が「220」以上と高い人の
割合は、「ほとんど毎日食べる」が27.5%で、「週1日未満」は33.5%とやや多かった。
中村教授は「卵を好きなだけ食べてよいという結果ではない」と話し、「健康指導が行き届き、
コレステロールが高く心筋梗塞を起こしやすい人が卵をあまり食べなくなったため、この結果が
出たとみられる」と説明する。
一方、浜崎智仁・富山大教授(日本脂質栄養学会会長)は「卵は危険だとのデータは出なかった
のだから、1日1、2個は食べて大丈夫だと考えられる」と話している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061117-00000052-mai-soci