近い将来、携帯電話やノートブックPCに電源コードを接続してバッテリーを充電する
ということや、そもそもバッテリーが不要となるかもしれない。そんな技術を可能にする
ワイヤレス電力送信技術に関する研究論文が14日、サンフランシスコで行われたアメリカ
物理学会の産業物理学フォーラムの席上で発表された。
ワイヤレスによる電力送信技術を発表したのはマサチューセッツ工科大学助教授のマーリン・
ソウルヤチーク氏を中心とするグループだ。
これまでワイヤレスによる電力送信の技術は、電磁誘導や電磁波、光を用いたものなど
多くが研究されてきたが、どの技術を問題が多く実用的な電力送信の技術はなかった。
ソウルヤチーク氏の考えは「非放射型エネルギー転送(non-radiative energy
transfer)」というもので、電波送信の特殊な発振現象に注目して、高周波を使って
人体に害を与えることなしに電力を送信できるとしている。
この非放射型エネルギー転送は今のところはコンピューターの中でシミュレートされて
いる物理理論にしか過ぎないが、ソウルヤチク氏は今後、更に研究を進めることによって
数メートルの範囲であれば、携帯電話やノートブックPCなどの比較的省電力のデバイスに
電力を送信することは可能になるのではないかと考えている。
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200611161232