オシム来年も国内組中心
15日のサウジアラビア戦(札幌ドーム)に3―1で快勝し、アジア杯予選1位通過を
決めた日本代表の24選手は16日、それぞれの所属クラブに戻った。この日午後、
千葉県内の自宅に戻ったイビチャ・オシム監督(65)は、羽田空港で報道陣の取材に
応じ、来年も国内組ベースに戦う方針を示した。札幌合宿では各選手に“宿題”を課し、
国内組の個々のレベルアップを求めた。
年内7試合を戦い終え、オシム監督は確かな手応えをつかんでいた。07年に向けて
強調したのは国内組をベースに置いた代表強化策だった。
これまで招集した計38選手はすべて国内組。「今年呼ばれた選手が(今後も)中心の
存在になる。今回呼ばれていない選手も含めて。坪井、水本がケガで招集できなかった
のは非常に残念」。指揮官が口にしたのは国内組への信頼であり、だからこそアジア杯
本大会を控える07年に向けた“宿題”を課した。
札幌合宿中にオシム監督は選手を個別に呼び、通訳をまじえた“マンツーマン”で意見
した。代表スタッフの1人は「全員ではないが、多くの選手と話した。問題点を伝え、
たいていの選手は一方的に聞いているだけだった」と明かした。
川崎FのMF中村も約5分間、個別ミーティングを行ったが、内容については「言っちゃ
いけない感じだったので…」と口をつぐんだ。秘密裏に与えられたテーマ。指揮官の威圧感
に押され「冷や汗が出た」と漏らした選手もいたという。「パスの種類を増やせ」「もっと
スタミナをつけろ」。細かな“達成目標”が選手それぞれに設けられた。
来年3月24日の韓国戦には欧州組も招集される見通しだが、オシム監督は「ここ(国内組)
で強いチームをつくる。海外にいる選手が“日本に強敵がいる”と焦るようなチームを
つくりたい」と強調。「イタリアやドイツ、スコットランドにいるからと言って自動的に
代表になるわけではない。誰も特権的にレギュラーを約束されてはいない」と持論を展開した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061117-00000009-spn-spo