東大西洋と地中海で取れる高級マグロ、クロマグロの漁獲枠が、2007年以降、削減される見通しになった。
削減幅は国際的な漁業資源の管理機関「大西洋マグロ類保存国際委員会(ICCAT)」が17日からクロアチア
で開く年次総会で議論される。10月には別の国際管理機関が、日本に割り当てられたミナミマグロの漁獲枠を
07年から5年間半減することを決めており、今回も大幅な削減が避けられないとの見方が強い。
削減の背景には、漁獲枠を超えた乱獲への懸念がある。ICCATに対する各国からの申告ベースの総漁獲量は
03年、04年とも総漁獲枠(3万2000トン)とほぼ同水準だったが、ICCATの科学委員会は「実際の総漁獲量は
5万トン」と推計し、漁獲枠の大幅な削減を求めている。06年の総漁獲枠は3万2000トンで、国・地域別では、
欧州連合(EU)が最大の1万8301トン、日本は3番目に多い2830トンだ。26日までの総会では、総漁獲枠と
ともに個別国の漁獲枠の削減が検討されるが、具体的な削減幅を巡って対立も予想され、結論が長引く可能性も
ある。日本ではクロマグロ消費量の約7割が輸入されている。05年の輸入量は約3万7000トンで、東大西洋・
地中海産の輸入量は約3万トンと8割を占めた。漁獲枠の削減で、日本の漁獲量だけでなく輸入も減るため、
価格の上昇など消費者への影響は避けられない情勢だ。
ttp://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20061116i201.htm