吉野屋が自己破産
吉野屋商事が自己破産 炭鉱で繁盛、夕張で老舗の呉服店 2006/11/06 16:21
【夕張】夕張を代表する老舗の一つ、呉服販売の吉野屋商事(小笠邦夫社長)は六日までに、札幌地裁
に自己破産を申請した。東京商工リサーチ道支社によると、負債総額は一億六千八百万円。小笠社長は
夕張商工会議所副会頭。夕張市が六月に財政再建団体となることを表明後、市内の主要企業の破たん
は初めて。
同社は一九六三年の設立で、資本金は一千万円。札幌市中央区に支店がある。前身の吉野呉服店は
大正時代、札幌の中心部で活況を極めたが、戦争激化により当時の樺太(サハリン)に移転させられた。
戦後、無一文で夕張に引き揚げ、四七年に開業。炭鉱全盛期の夕張で成功を収めた。
当時、「道内の花柳界で吉野屋を知らない人はもぐり」(関係者)と言われるほどの隆盛を誇った。年間の
売り上げは四億円以上あったが、夕張の人口減や和服離れなどから訪問販売に力を入れたものの、ここ
数年は一億円台にとどまっていた。
夕張商工会議所の関係者は、「破産は夕張の人口減など購買力低下が原因で、市が財政再建団体とな
ることと直接の関係はない」と話すが、本町商店街の経営者は「時期が時期だけに大変なショック」と話して
いる。
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&j=0030