北の国連次席大使、被害者写真の前でも「拉致解決済み」
http://www.sankei.co.jp/news/061031/kok005-1.JPG 「もう返して!」。30日午前(日本時間31日未明)、国連総会第3委員会での大島賢三国連大使の演
説を傍聴した北朝鮮による拉致被害者の家族は、そう書かれた被害者の写真を各国代表団に見せるよ
うに抱えて聞き入った。
大島大使は拉致被害者の家族が傍聴していることを各国代表に紹介した上で、日本人以外の外国人
拉致の被害にも触れ、「北朝鮮工作員による拉致は未解決。北朝鮮は日本人11人の拉致被害者につ
いて十分な情報を提供していない。拉致被害者の即時帰国を含め、人権侵害の問題に真剣に取り組む
よう要求する」と述べた。
これに対し、北朝鮮の金昌国・国連次席大使は「(拉致事件は)既に解決済み」と述べたが、日本の神
余隆博国連次席大使は答弁権を行使し、「多くの日本人がまだ帰国しておらず、拉致事件は今も続いて
いる」と反論した。
家族会副代表で田口八重子さん=拉致当時(22)=の兄、飯塚繁雄さん(68)は「北朝鮮の答弁はす
べてうそ。よくもあんなに虚勢を張ることができるものだ」。同会事務局長で増元るみ子さん=同(24)=
の弟、照明さん(51)も「北朝鮮の人間が良心を持っていれば、この写真を見て、もっと答えようもあるだ
ろうに…」と唇をかんだ。
また、家族会と支援組織「救う会」のメンバーは同日午後(同31日早朝)、女性3人の拉致が指摘される
イタリアの国連代表部を訪れ、入手している情報を提供、拉致事件の解決へ連携を呼びかけた。応対し
たクアロニ参事官は「貴重な情報でありがたい。イタリアを含む欧州連合(EU)は拉致に強い関心を持っ
ている」と述べた。
http://www.sankei.co.jp/news/061031/kok005.htm