奈良県田原本町の医師(47)方が全焼し、妻子3人が死亡した放火殺人事件で、殺人、
現住建造物等放火などの非行事実で送致された元私立高校1年の長男(16)の少年審判が26日、
奈良家裁で開かれた。
石田裕一裁判長は、中等少年院送致とする保護処分を決定した。
決定によると、長男は6月20日午前5時ごろ、自宅1階台所などにサラダ油をまき、
ガスコンロで着火したタオルで1階階段付近に放火。木造2階建て延べ約140平方メートルを全焼させ、
2階で寝ていた母親(当時38歳)、二男(同7歳)、長女(同5歳)を一酸化炭素中毒で死亡させた。
奈良地検は長男を「確定的に近い殺意があった」として刑事処分相当の意見を付けて家裁に送致。
しかし、家裁による精神鑑定で、「父親の暴力で抑うつ状態になり、一つのことにしか注意が向かない発達障害だった」と診断され、
付添人弁護士は「殺意はなく、更生のために専門的な施設で治療を受けさせるべき」と主張していた。
奈良地検は今回の決定に対し、大阪高裁に抗告受理の申し立てができるかどうか検討する。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061026it03.htm?from=top