ライス国務長官「(北朝鮮の)核実験は米国にとって有益だった」─ワシントンポスト紙
【テクノバーン】(2006/10/24 16:01)「北朝鮮が核実験を行ったと発表する
前、複数の主要閣僚は北朝鮮が核実験を行えば、政権内部の政策論争の
きっかけを作ることとなり、むしろ大歓迎だと語っていた」と21日付けのワシ
ントンポスト紙は報じた。
この記事では主要閣僚の具体的な名前は明かしてはいないが、同じ記事で
「今週、アジア諸国を訪問したライス国務長官は(北朝鮮の)核実験は米国
にとって有益だったと語った」とも報じており、北朝鮮の核実験の実施を歓
迎していた閣僚にはライス国務長官が含まれていることを示唆するものと
なっている。
意味深なこの発言。ワシントンポスト紙はブッシュ大統領は中国を「重要な
戦略パートナー」だと位置づけたクリントン前政権の政策を見直し、中国に
対して距離を置く政策を続けてきたが、北朝鮮の核実験や、その後の中国
が北朝鮮問題解決に向けて果たした役割を受けて、政権内部の反中国派
もアジア外交における中国の重要性を認識し、対中国政策を見直さざるを
得ないだろう、と解説を加えている。
つまり、北朝鮮による核実験はこれまで中国軽視を続けてきたブッシュ政権
内の反中国派に対する親中国派による巻き返しの契機となる可能性があ
り、こうした中国重視の政策を主張しているのがライス国務長官だというの
だ。
仮にブッシュ政権が中国重視の政策に転換した場合、米国同様に中国に
対して距離を置いてきた日本の外交政策にも大きな影響を与えることは必
至だ。北朝鮮の核実験は思わぬところで米国の政権の中枢に影響を与え
始めてきている。
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200610241601