あ い お い 詐 欺
大手損害保険会社「あいおい損害保険」(本社・東京都渋谷区)の宇都宮市内にある保険代理店元社長が
2005年末までの約2年間に、傷害保険などの保険料名目で顧客から10億円をだまし取ったとされる問題で、
同社がこの元社長を業務上横領の疑いで宇都宮中央署に告訴していたことが分かった。
一部の顧客からは被害届も出ており、同署は詐欺容疑での立件も視野に捜査を進め、事件の全容解明を目指す構えだ。
告訴は、元社長が顧客約20人から保険契約料として集めた2300万円を着服したというもの。
同署が10日に受理した。同社の内部調査によると、元社長は2003年9月から05年12月までに
真正の契約申込書を使って顧客と契約を結んでいたが、保険証券は発行していなかった。
こうした不正な契約で集めた金は10億円に上るといい、元社長は内部調査に「借金を返済するためだった」などと説明していた。
また、元社長は「保険に入ってくれれば、高額の謝礼をする」などと持ちかけていたことなどから、
同署は顧客を被害者とした詐欺容疑での立件も考えている。
この問題を巡っては、代理店に保険料を支払った宇都宮市内の夫婦らが、
同社との間に保険契約が存在することの確認と保険証券の発行を求める訴えを宇都宮地裁に起こし、係争中だ。
同社は今年2月、元社長との保険代理店契約を解除するとともに詐欺容疑での告発なども検討してきた。
(2006年10月16日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/news005.htm