北朝鮮核実験 成否判断に2週間
【ソウル=久保田るり子】北朝鮮は9日、国営朝鮮中央通信を通じ、初の地下核実験に成功したと発表。
同時刻に北朝鮮北東部を震源とする地震波が観測されたが、韓国の宋旻淳・統一安保政策室長は10日、
核実験の成否の判断には「2週間程度かかる」と述べた。韓国メディアによると、韓国の国家情報院は実
験の場所について咸鏡北道金策市上坪里と推定している。
実験が事実とすると、核爆発を伴う実験の発表は1998年5月のインド、パキスタン以来。パキスタンの
核実験の地震波がマグニチュード4・5以上だったが、今回はM3・9程度とされる。米地質調査所はM4・2
と発表した。ロシアのイワノフ副首相兼国防相は爆発規模についてTNT火薬換算で5―15キロトンだと述
べたが、韓国は0・8キロトン以上とするなど、実験の成否は依然、不明だ。ただ、9日の米紙ニューヨーク・
タイムズ(電子版)は、北の核実験は核爆発を伴っていたとみられるとする専門家の分析とともに、規模に
ついては1キロトンかそれ以下と伝えた。
北朝鮮では、朝鮮中央放送などが9日正午の定時ニュースで「核実験に成功した」とするニュースを伝え
たが、いずれのメディアもトップニュースは金正日総書記がらみのものなどで、核実験は2番目だった。また、
朝鮮労働党創建記念日の10日の労働新聞は党創建について社説を掲載したが、このなかに「核実験」は
取り上げられていない。
今月3日の核実験を予告した外務省声明は、繰り返し同じ内容が報じられたのに比べ扱いが地味なため、
今回の実験成功に疑問を呈す専門家もいる。
http://www.sankei.co.jp/news/061011/kok007.htm