郵便局強盗、30万円強奪も追いつめられて自分に放火
ガソリンなどで店に放火する強盗事件は珍しくないが、自らに火をつける“珍”強盗が現れた。
3日正午すぎ、千葉市若葉区大宮町の千葉千城郵便局に1人の男が押し入った。
「500万円貸してくれ。子供が病気なんだ」
職員に拒まれると、懇願口調から、態度を一変。2リットルのペットボトルに入れたガソリンを自らの衣服にかけると、
100円ライターを見せ「300万円でもいい。出さないと(ガソリンを)まくぞ、火を付けるぞ」と脅した。
事件当時、客はおらず、いたのは女性局長と3人の職員だけ。「特にマニュアルがあるわけではないが、とっさの機転で」(同郵便局)
封筒に1000円札のみ約300枚を詰め込みカウンターに置いた。
男は“大金”と勘違いしたのか、上着のポケットに封筒をねじ込むと、郵便局から脱兎のごとく逃げ出した。
しかし郵便局の外には、職員の通報で駆け付けた千葉東署の警官十数人がズラリ。男は取り押さえようとした警官ともみ合いながら、ガソリンまみれの着衣に点火した。
一瞬、激しく炎が上がったが、警官がすぐに消火器で消し止め、男はあえなく強盗の現行犯で逮捕された。
同署の調べでは、男は同市中央区星久喜町のタクシー運転手、高田正一容疑者(58)。
市内のタクシー会社に勤めており、会社から貸与された営業用タクシーで郵便局前に乗りつけるという、なんともお粗末な犯行だった。
■珍強盗の事件簿
★即バレ(平成11年12月) 神奈川県相模原市の路上で無職男(21)が女子大生(20)から金を奪おうとしたが、
相手は小中学校の後輩。「渡辺さんでしょ」と指摘され「おれは渡辺じゃねえ」と言い残し金を取らず逃走
★両手炎上(16年10月) 名古屋市守山区のパチンコ景品交換所で若い男が、ペットボトルの液体に点火。
交換所の現金約400万円が焼け、男は両腕に火がついたまま自転車で逃走した
★袋に穴(14年12月) 名古屋市南区のコンビニで無職男(33)ら2人が現金約40万円を奪ったが、現金を入れた紙袋に穴が開いていたため大半が逃走中に落下
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