「欧米型の病気が増えた理由は、突き詰めれば、主食の白米にあります」
と鈴木猛夫さんが語る。それは想定外の説明だった。肉類、乳製品など高カロリーが
原因だとばかり思っていたからだ。
「日本人は、自分たちの主食である、白米と玄米の違いを知ることが重要です」。
精米機で白くした米は、『粕』である。つまり、白米はカスだという。「米の胚芽を
残す『糠』(ぬか)は、米の(健)康の源です」と語源から、健康の源は玄米だとい
い、玄米食を勧める。
「玄米の糠は油ですから、副食にはさっぱりした野菜が中心になります。玄米と肉
をいっしょに食べると、ともに味が強いから、合わないのです」。ここがキーポイン
トのようだ。主食に玄米を食べていると、ごく自然に肉類が不要になる図式が成立す
るのだという。
「反面、糠を精米で削り取った白米には、油分と栄養分がありません。だから、副
食に油っぽいものが必要になるんです。それが栄養過多の原因です」。油っぽい食品
の過剰な摂取はやがて成人病につながる。この論理の展開には納得できた。
日本人の食性(しょくせい)は古代から培われてきた、うす味だった。江戸時代の
日本には、フライパン料理に類似するものはなかった。それは玄米で、油分が摂れて
いたからだという。副食はあっさりしたもの、いまでいう精進料理だった。
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