ソフトバンクの竹内孝規常務取締役(45)は21日、7月に胃がんの手術を受け現在療養中
の王貞治監督(66)に対し、体調を見ながら正式に来季の続投を要請することを明言した。
王監督も現場復帰へ向けた動きを加速させており、打診を受託するのは確実とみられる。
まるでこの日を待っていたかのような球団サイドの反応だった。再入院した8月6日から
46日目、大安吉日を選んでの退院を受け、竹内常務取締役は「今後も王監督で臨むという
考えは、みじんも揺らいでいない。体調の回復を見ながら、正式にお願いする」と続投要請を
明言。来季13年目となる王体制の支持をあらためて打ち出した。
プレーオフを含めた今季中の現場復帰は見送るようだが、これは「絶対に無理をさせては
いけない」との孫オーナーの厳命を受けてのもの。一方で、王監督は実生活に順応できる
時期的なメドを「半年たったらだいぶ違う」と年明け前後に設定。来春キャンプからの
復帰をイメージしているもようだ。
また、20日には病院を訪れた球団幹部らと来季に向けた編成会議を開いたが、角田球団
代表は王監督の口ぶりから「監督として指揮を執るという強い意欲を感じた」と説明した。
昨年までチームは2年続けてシーズンを1位で通過しながら、プレーオフで敗退。今季は
1位通過も微妙な状況で、打撃力強化や若手を含めた戦力の底上げなど課題は多い。
現状での後継者へのバトンタッチは時期尚早と考えていて不思議はない。
すべては体調次第だが、退院したこの日の体重は67キロ。1度目の退院となった8月2日
からさらにやせていたものの、当時よりも明らかに顔色はよく、声にも張りが出ていた。
18日を最後に点滴治療はしておらず、20日夜は穴子の天ぷらや銀ダラを口にしたという。
王監督はこの日、慶大病院前で報道陣に囲まれ「しっかり治さなきゃね」と力強い意思を
表明した。ファンに向けても「復帰のためにはこの数カ月が重要。しっかりとリハビリに
取り組み、元気になって復帰したい」などと極めて前向きなメッセージを発信し、
来シーズンでの現場復帰への意欲を示した。
http://chuspo.chunichi.co.jp/00/baseball/20060922/spon____baseball004.shtml