内縁関係にあった女性の母親に暴行を続け自殺に追いやったとして暴力行為処罰法違反の
罪に問われた男に対しきょう懲役2年10カ月の実刑判決が言い渡されました。裁判所は
男を有罪とする一方で女性の自殺については男の刑事責任を問いませんでした。
この事件は薩摩川内市川永野町の鉄屑回収作業員上野直忠被告(58)が同居していた
内縁の妻の80歳の母親に暴行を加え全治3週間のけがを負わせとして暴力行為処罰法違反
の罪に問われたものです。この母親は暴行を受けた翌日に自殺していて検察側は上野被告の
暴力が長期間続いていたと指摘した上で「女性は暴行を苦にして自殺したと考えられる」
として懲役5年を求刑していました。
きょうの判決公判で鹿児島地裁は検察側の主張に同意しましたが「被告は傷害致死罪で
起訴されていないため女性の死に対する刑事責任を負わせることはできない」として
上野被告に懲役2年10カ月の実刑判決を言い渡しました。暴力行為より刑事責任が
重くなる傷害致死罪での起訴に至らなかったことについて鹿児島地方検察庁は「自殺理由の
特定ができず暴力行為と自殺の因果関係の立証が困難だった」としています。
http://www.kts-tv.co.jp/news/index.php?idnumber=10508