元少年の母にも賠償命令 京都市南区の集団暴行死で控訴審判決
京都市南区で2002年10月、少年を含む男女5人から暴行を受け、死亡した
同区の後藤将利君=当時(16)=の母涼子さん(44)が、元少年の母親にも監督責任が
あったとして母親に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が8日、大阪高裁であった。
小田耕治裁判長は「暴力行為に加わることは容易に予見できた」として母親に、
元少年ら2人と連帯して慰謝料など約9400万円を支払うよう命じた。
涼子さんは04年、加害者5人と少年の保護者3人の計8人を相手に京都地裁に
提訴し、うち5人とは訴訟途中で和解した。京都地裁判決は、主犯格の女=受刑中=
と当時17歳の元少年に約9400万円の支払いを命じたが、元少年の母親は
「(元少年が)加害者になることは予見できなかった」として責任を認めなかったため、
涼子さんが母親の責任を問う部分のみ控訴していた。
控訴審判決で小田裁判長は「母親は、元少年の非行傾向が顕著で(事件以前に)
グループ内で激しい暴力があったのを知り得た。適切な措置を取っていれば、犯行自体
を防止し得た可能性も考えられなくはない」と認定した。
判決に涼子さんは「いままでずっと事件のことが重くのしかかっていたけれど、これで
やっと一つの区切りになりそうな気がします」と話した。
京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006090800282&genre=D1&area=K10