「同情の余地なし」懲役2年求刑 富士見・乳児3遺体遺棄で地検川越支部
乳児の遺体三体を紙袋などに入れて公園に遺棄したとして、死体遺棄の罪に問われた坂戸市伊豆の山町、
無職榎美貴子被告(43)の第二回公判が四日、さいたま地裁川越支部(早川幸男裁判官)で開かれた。
弁護側と検察側双方の被告人質問の後、論告求刑が行われ、検察側は「犯情は極めて悪質で動機に
同情の余地は全くない」などとして、懲役二年を求刑した。同公判は結審し、次回二十六日の公判で判決が
言い渡される。
論告などによると、榎被告は今年三月十四日、富士見市西みずほ台の松の木公園西側隅に
バスタオルに包んだ男児の遺体一体と紙袋に入れた女児の遺体二体を遺棄したとされる。
榎被告は一九八三年十二月に結婚。娘五人をもうけたが、九六年四月に離婚した。その後、
生活保護を受けながら五人の子どもを育てていた。
九七年ごろ、飲食店経営の男性と親しくなり、九九年四月ごろから二〇〇二年十二月ごろまでの間、
この男性との子ども計三人(男一人、女二人)を自宅で出産した。
三人は死産や出産直後に死亡したため、三遺体をプランターなどに入れ自宅ベランダに隠していた。
事件当時、同被告は娘たちとともに富士見市内の県営住宅に居住していたが、〇四年五月ごろに
生活保護が打ち切られ、家賃を滞納していたため、強制退去処分を受けていた。
弁護側は最終弁論で「事件当時はお金がなく、埋葬したいという母親の気持ちから遺棄した。
供養や社会的な習俗を認識しながらも、こうした行動をとらざるを得なかった事情を斟酌(しんしゃく)してほしい」
などと述べ、執行猶予付きの判決を求めた。
埼玉新聞
http://www.saitama-np.co.jp/news09/05/30x.html