消費税は大型間接税の一種です。大型間接税はなぜ生まれたのでしょうか。
世界で最初に大型間接税を取り入れたのはドイツです。一九一六年の「商品取引印紙税」がそれです。
商品のすべての取引にたいして0・1%の税率で課税されました。しかし、意外と税収が少なかったため、
一八年には累積型の「取引高税」(税率0・5%)に切り替えられます。
フランスは、一七年に「支払税」という名前の売上税(小売り段階)を導入しました。しかし、脱税が非常に
多くて思うように税収が上がらなかったため、二〇年には、ドイツと同様の「取引高税」(税率1・1%)になります。
いずれも第一次世界大戦の膨大な戦費調達のために導入され、その後、財政危機に直面して税収を大幅に増やすために、手直しがおこなわれました。
イタリアでも一九年に「売上税」、ベルギーでも二一年に「売上税」が導入されました。いずれも第一次大戦によって引き起こされた財政危機に対処するためです。
こうした土台があって、第二次大戦後、発足したEEC(ヨーロッパ経済共同体、いまのEU)がその共通税制として大型間接税=付加価値税を採用し、それがヨーロッパ諸国に広がっていくということになったのです。
中国東北部への侵略に始まり第二次世界大戦へとつづく、十五年戦争の時期にも、三六年、広田内閣のとき、馬場税制「改革」として「取引高税」がたくらまれます。
この導入には失敗しましたが、翌三七年に物品税がつくられました。
物品税は、最初はぜいたく品十品目で出発しました。年々拡大して、戦争末期の四四年には、食料品、マッチ、紙、電球、文房具など生活必需品にまで課税対象を広げて百四品目に。
これは、形の上では個別間接税だったのですが、事実上、大型間接税になってしまいました。対米開戦後の四二年には電気・ガス税が創設されました。
これら間接税は、戦争とともにつくられ、戦争とともに膨れ上がり、戦後も廃止されず、消費税へとつながっていくのです。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-09-01/2006090104_01_0.html (日本共産党経済政策委員会編『徹底解明 消費税』参照)
(「消費税編」はおわり