子どもの自殺で罪に問われた母親、逆転無罪 米州最高裁
米コネティカット州の学校で「汚い」「くさい」といじめにあっていた12歳の少年が自殺した事件で、
掃除や衛生状態に関心を払わずわが子を危険な状態に陥れたとして州地裁から有罪判決を受けて
控訴していた母親に対し、州最高裁は28日、無罪の逆転判決を出した。
自殺事件があったのは02年。母親は家の掃除や少年の衛生状態に関心を払わないで
子どもの心身を危険な状態に追いやったとして起訴され、州地裁が03年、有罪判決を言い渡した。
母親は家を掃除しないことは罪にあたらず、有罪の根拠があいまいで憲法違反だとして控訴していた。
州最高裁は母親の主張を認めた。
州地裁の陪審は、少年が身を守るためのナイフや手製のやりを持って自室のクローゼットで眠るほどの
精神状態に追い込まれていたことと、家の床に服やゴミ袋が散乱して足の踏み場もなく異様な臭気がただよって
いたとする警察官らの証言などをもとに、母親に有罪の評決を出した。地裁判事も追認した。
しかし、最高裁は、家を汚くしていること自体は違法ではないとする母親の主張に沿った上で、
家の環境によって子どもの精神状態に悪影響が及ぶことはあるとしても、この家の状態が子どもの
精神状態に異常をきたすほどだと、母親が明らかに判断できたとまでは言えないとして、地裁判決を覆した。
母親はシングルマザーで子ども2人と暮らし、二つの仕事を掛け持って週60時間働いていた。
http://www.asahi.com/international/update/0829/012.html