四月施行の障害者自立支援法が、障害者と家族を直撃しています。福祉サービスに原則一割の応益負担が
導入されたためです。負担増のため、サービスの利用を中止する障害者が続出しています。
通所施設の場合、無料だった利用料負担が月二万―三万円(給食費含む)もの大幅負担です。
工賃収入をはるかに上回る利用料負担の支払いに、働く意欲をなくし施設利用を断念し、家に閉じこもる障害者が
相次いでいます。施設への報酬も激減し、経営の存続が危ぶまれる事態に直面しています。
応益負担の撤回を
利用者負担軽減や事業所補助のために独自の施策を行う自治体は、きょうされん(障害者関連施設でつくる全国組織)の
今年春の調査でも、八都府県と二百四十二市区町村(全市区町村の13%)にのぼり、その後も増加しています。この流れを全国に広げていくことが大切です。
障害者と家族、事業者を苦しめているのは応益負担の導入です。障害が重く、多くの支援を必要とする人ほど重い利用料負担を
強いる原則定率一割の応益負担は、社会福祉の理念に真っ向から反します。
日本共産党は、今年二月と六月、二度にわたって「緊急要求」を発表し、八月には国会議員団として、政府に応益負担の撤回と
障害者自立支援法の抜本的見直し、利用者負担の軽減、事業者報酬の改善を重ねて申し入れました。
小泉首相は、制度施行前の二月二十八日、「実施した上で問題があると分かればしかるべき対応をとる」と答弁しました(衆院予算委員会)。
さらに、実施後の六月七日には、日本共産党・井上哲士参院議員の実態調査をもとにした質問に、首相は、「国としても調査をする必要がある」と答えています(参院決算委員会)。
こうしたなかで、厚生労働省が六月下旬に実施した自治体アンケート調査では、半数を超す都道府県が利用者負担増による退所者、利用抑制の事態が生まれていると報告しています。
(略)
十月からは新たに補装具、障害児施設にも応益負担は導入されます。障害程度区分の認定とそれにもとづく支給決定、地域生活支援事業も始まり、
国の補助金抑制のもとでサービスの後退や市町村格差のいっそうの拡大も懸念されています。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-08-27/2006082702_01_0.html