靖国参拝で米言論界の変化うかがわせる「謝罪は一度きりであるべき」「日本は侵略国家になりえない」

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1転んでも泣かない
■「中国、戦術的な優位狙う」 靖国参拝で米紙コラム
. 【ワシントン=山本秀也】
 小泉純一郎首相による終戦の日(8月15日)の靖国神社参拝について、
米紙ワシントン・ポストは20日、首相の参拝中止を求める中国などの主張は
「(日本に対し)戦術的に有利な立場」を得るのがねらいだとして、むしろ戦後
日本の民主化努力を評価するコラムを掲載した。17日付の同紙は次期首相
に参拝中止を迫るリベラル派国際政治学者の日本批判論を掲載したが、首相
参拝に対する批判が目立った米言論界の変化をうかがわせている。

 保守系論客の同紙コラムニスト、ジム・ホーグランド氏は、第二次世界大戦の
旧枢軸国の日本とドイツが戦後約60年間で完全な民主主義国家に転換したこと
を国際社会が評価すべきだと主張。国連安全保障理事会の常任理事国入りでは
日本をまず選任することが「国連改革の第一歩」と論じた。

 靖国神社に関して同氏は「戦犯賛美」と受け止められるものを取り除くことが
常任理事国入りの道を開くとしながらも、中国などの参拝批判については
「日本より道徳的に上だと振る舞うことで、史実ではなく、戦術的に有利な立場を
追求している」と指摘した。

 17日に掲載された米プリンストン大学のジョン・アイケンベリー教授(国際政治)
の寄稿は「日本は首相参拝を終わらせる名誉ある道を探すべきだ。あるいはA級
戦犯の分祀(ぶんし)をひそかに神社関係者に促す必要がある」と論じ、その上で
次期首相が中韓首脳と東京で会談すべきだと指摘した。

 教授は近隣諸国との「歴史をめぐる和解」について、日本が戦後のドイツにならう
よう求めるなど中韓の立場に通じるリベラル派の主張を展開した。「普通の国」を
目指す日本の取り組みについて、教授は「再軍備」として懸念を表明。米政府が
「東洋の英国」といった同盟パートナーを日本に求めるのをやめ、欧州との関係を
重視したドイツの道を日本にも歩ませるべきだと指摘した。
続く