七万数千円が惜しくて、松山の地図会社が水戸市を訴える
電子データとして記録されている公文書は印刷しないと開示できないとした決定は、
時代遅れで無駄だとして、松山市の地図製作会社が水戸市を相手取り、
決定の取り消しなどを求める訴えを水戸地裁に起こした。
データをCD−ROMなどに複製して引き渡すよう求めている。同社は同様の訴えを栃木、岩手県でも起こしている。
訴状(7月29日付)などによると、同社は地図製作のため、今年2月14日、
国から水戸市に譲与された農道、水路の図面などの公文書の開示を市情報公開条例に基づき請求した。
市は「全部開示」を決定、8日後に同社に通知した。
同社は、公文書を電子データのまま複製して開示するよう求めたが、
市は「条例規則で印刷しないと開示できない」と拒否。同社は「複製して開示した方が正確で安価。
資源節約にもなる。印刷しなければ公開できないという市の姿勢は時代錯誤だ」などと主張している。
市管財課によると、公文書のうち録音テープや映画フィルムなどを除く電磁的記録の開示方法は、
同条例施行規則で「印字し、または印刷したものを閲覧・交付する」と定められている。
今回の開示対象の文書は印刷するとA1判(縦60センチ、横84センチ)で約1500枚に達する。
市は開示に当たり、業者に印刷を委託して、その費用を同社に請求する予定だった。
同社や印刷業者などによると、今回のデータ量を複製する場合、CD−ROMなら高くても数千円。
だが、このサイズの紙に約1500枚カラーコピーした場合約8万円かかるという。
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060821k0000m040108000c.html