http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060804id25.htm 【イスラマバード=佐藤昌宏】国民のほぼ100%がイスラム教徒で占められる
アフガニスタンの首都カブールで、韓国のキリスト教系民間活動団体(NGO)
メンバーが1000人規模の「平和の祭典」を計画、混乱を恐れたアフガン、韓国
両政府の説得で中止される騒ぎがあった。
この団体は、ソウルに本部を置く「アジア協力機構」(IACD)で、今月5日、カブ
ールの競技場などで集会を企画。韓国から2日までに、子ども約600人を含む
約1500人がアフガン入りした。
現地入りした団体役員は「祭典は韓国人のアフガン支援を啓発するため。アフガン
政府に敵対するものではない」と布教目的を否定したが、現地は反発。このため、
韓国政府がアフガン政府に、集会参加目的の韓国人の入国を許可しないよう要請。
在カブール韓国大使館も約200人の在留韓国人に対し、危険回避のため、集会
終了までアフガンを離れるように呼びかけたという。
だが、北部マザリシャリフでイスラム聖職者数百人が「韓国人キリスト教徒を追い出せ」
と叫びながらデモ行進するなど、摩擦が拡大する様相を見せ始めたため、両国政府が
中止を強く働きかけたところ、3日になって団体側が急きょ中止を決めたという。
IACDは、韓国のプロテスタント教会の支援を受け、これまでにもウズベキスタンなどで
医療や教育支援を行ってきたという。
今回の集会について、IACDは「これまで行ってきた支援の一環として企画した。身の
危険などは感じなかった」としているが、最終的にアフガン当局の要請を受け入れたと
説明している。(ソウル支局) (2006年8月5日2時40分 読売新聞)