【大紀元日本8月8日】日本と中国はこのほど、世界保健機関(WHO)の事務局長の後任人事に、
それぞれの自国の候補者を推薦、専門家らはこの人事に注目している。米国VOAが伝えた。
後任の事務局長の最有力候補は、日本人・尾身茂氏と香港出身の陳馮富珍氏。
尾身茂氏はWHOの西太平洋地区の責任者、
陳馮富珍氏は香港の衛生部門の主管を努めた経験があり、現在はWHOの伝染病部門の事務局長補佐。
中国共産党(中共)政権が推薦した陳馮富珍氏がWHOの事務局長に選ばれる場合、
これまで毎年WHOへの参加を積極的に要求してきた台湾には、どんな影響があるのか。
ジョージメイスン大学の教授・万明氏は
「事務局長はだれであろうと、台湾がWHOに加盟する、あるいはオブザーバーになるには、理事会の決定が必要。
この面から言うと、香港人の幹部はより中共政権の立場に偏るかもしれない。
日本は台湾がWHOに参加することに自分の考え方を持っている。」との見解を示した。
米国議会は決議案を通し、米国政府に対し、台湾のWHO会議への参加を支持するよう要求していた。
にも関わらず、ソロモン諸島などの台湾の友好国は今年5月、
台湾がオブザーバーとしてWHOに参加する提案を再度否決した。これは十度目の否決。
台湾の陳水扁総統は、その直後に「中共政権の乱暴な圧力を受け、WHOは台湾だけを排除している。
その結果、台湾は全世界の伝染病予防ネットワークからもれている。
2300万人の台湾人と台湾に在住する40万人の外国人にとって、非常に不公平かつ不道徳」と非難した。
一方、中国外交部の報道官・劉建超氏は、「WHOは主権国家しか参加できない国際機構であり、台湾は中国の一部だ」と反論した。
亡くなった韓国出身の元事務局長・李鍾郁氏は、台湾はWHOの加盟国あるいはオブザーバーになる可能性がないと繰り返し強調していた。
専門家は、もし中共政権が支持する香港人・陳馮富珍氏が当選される場合、台湾のWHOへの加盟はさらに困難になるとみている。
(日中両国の候補者、WHOの事務局長の座を競う:
http://www.epochtimes.jp/jp/2006/08/html/d96020.htmlより一部省略)