PJニュース 08月06日】− 夢にまで見たマドリッドの闘牛場にいた。
真っ黒い牛と対決する闘牛士マタドール。胸を張り、派手なコスチュームに身を包み、
「オーレ」の歓声に深紅のムレタを翻し、舞い、最後に静止して、突進して来る猛牛に向かい剣を振りかざし
一撃の下に肩口から心臓めがけて突き刺す。牛は目前で倒れる。勝ち誇りキャップを振り,大歓声に応える。
貴賓席の美しき女性にひざまずく。
これが闘牛と思っていた。しかし、現実は違った光景を見ることになる。
やや小振りの牛が登場。戸惑う牛を助手数人が目的の方向へ誘導する。
そこへピカドールという槍士が防具をつけた馬に乗り登場。牛を追いかけ回し槍で何カ所も傷つける。
牛はだんだん弱ってくる。そこへ、闘牛士が現れるムレタを振りかざすが、牛は跳ねのける、
牛にしてみれば最後の敵と思うのだろう。闘牛士が無様に倒されて助手に囲まれフェンスに隠れる。
ボクシングは拳闘である。人間と人間が殴り合いするプリミティブなスポーツである。
人間と人間が殴り合いするプリミティブなスポーツである。
打ち合うと顔の皮膚が、グローブに擦られて段々と真っ赤になり、腫れ上がってくる。
目を額をバッテイングで切り出血する。若き青年の顔が、赤鬼の形相と化す。痛々しい。勝ち負けが見えて来る。
しかし、負けん気の本能が撃たれる度に振り起こされ前にひた向きに進む。そして、KO、ノックアウトされる、
倒されたヤツは口から泡を吹いている。血の海の中で。戦場だ。これが、人間と人間の殴り合いの現場である。
戦場で散って行った若き特攻隊の姿がよぎる。牛vs人間。人間vs人間。
ローマ帝国時代にネロという暴君がいた。獅子vs人間の戦いをスタジアムで飯を食いながら
女を侍らせ楽しんでたという。とんでもないヤツだ。
日本のみんなも本物を知らず流されて、はしゃいでいると、21世紀のネロが登場して、酷い目に遭う時が来る。
”エライコッチャ、エライコッチャ“【了】
パブリック・ジャーナリスト 池野 徹【千葉県】
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