ウクライナから来た約100人の大学生たちが、自国に帰る費用がなくウ
クライナ大使館に助けを求めた。彼らは、夏に期間、フィンランドでブルー
ベリーなどのベリー(小果実)摘みの夏季仕事での高収入を期待してフィ
ンランドにやってきた若者たちだ。ウクライナ大使館は四日、彼らと会合
を持ったが、大使館は一人25ドル(約2800円)の援助は約束したが、帰
国費用の提供は拒否した。
彼らの多くは、フィンランド北部のラップランド地方の村の学校などで寝
泊りしており、すぐにでも帰りたいと思っているのだが、費用が作れず帰
国できないでいる。また、食料を買うお金もない。気の毒に思った村の人
たちが食料の差し入れをしている常態だ。
彼らは、ベリー摘みの仕事で高収入が得れると言われ、また、フィンラン
ドでは快適な施設に宿泊できると言われやってきた。フィンランドへの旅行
は、ウクライナの旅行会社によって準備されたが、フィンランド国内で手配
をした旅行会社は先週倒産した。現地の仲介業者が彼らの査証の費用を
支払い、彼らが摘んだベリーを買い取ることになっていた。
毎年、夏になるとフィンランドにベリーを摘んで収入を得るためにくる外国
人は多い。ヨーロッパはもちろん、アジア諸国ならびにロシアからも来る。
フィンランドでは、森林の中のベリーはたとえその森林が個人の所有地で
あろうと自由に摘むことは許可されている。しかも、そのベリーを売った収入
には、税金がかからない。
しかし、この夏は、雨がほとんど降らず、異常に乾燥した夏のため、ベリー
の粒自体が小さく、また、収穫も例年に比べはるかに少ないものとなった。
ウクライナから来た若者たちの夢は、異常気象の前に砕けてしまった。
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/060805-194821.html