下半身に大やけどを負って入院していた当時生後9カ月の二男を病院から連れ出したとして、
福岡県警は1日、父親で北九州市門司区今津、指定暴力団工藤会系組幹部、
生田司容疑者(46)ら5人を未成年者略取と建造物侵入の疑いで逮捕した。
二男は下半身を中心に皮膚の50%をやけどする重傷を負っていたため、
県警は虐待の疑いもあるとみて生田容疑者をさらに追及する。
逮捕されたのは他に、二男の母親の生田多恵(25)▽祖母の広田初枝(54)▽
伯父の広田信一(31)▽同、中野昭夫(27)−−の各容疑者。
調べでは、生田容疑者ら5人は3月23日午後8時40分ごろ、
二男が入院していた同市小倉南区の北九州総合病院・救命救急センターの高度治療室に、
電源が切られていた自動ドアを無理やりこじ開けて侵入。
病院職員の制止を振り切って、二男を車に乗せて自宅まで連れ去った疑い。
生田容疑者らは、病院にたびたび退院を迫る電話をし、
この日も直前に「息子を連れて帰る」と電話。病院側は二男の容体などを考慮し、
連れ出されないよう自動ドアを作動停止状態にしていた。病院側の110番を受け、
小倉南署員らが自宅に乗り込み、約2時間20分後に二男を保護した。
二男は8人きょうだいの7番目。昨年11月30日に「鍋の湯をひっくり返した」と母親らが伴い、
救急車で同病院に運び込まれた。だが不審に思った病院側が
県警と北九州市子ども総合センター(児童相談所)に連絡。
12月2日に県警と同センターが自宅を立ち入り調査したが、
他の子供に虐待の痕跡は認められなかった。
福岡家裁小倉支部は今年4月、同センターからの申し立てを受けて児童福祉法に基づく施設入所措置を決定。
二男は現在、北九州市内の児童福祉施設に入所しているが、
歩行困難な状態という。また他のきょうだい7人はこの日、市内の別の児童福祉施設に一時保護された。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060802k0000m040136000c.html