書店の児童書売り場に積まれていた、1冊の絵本に思わず足が止まった。
その絵本、子ども向けの絵本のなか、明らかに異彩を放っていたのである。『ふしぎの国のアリス』。
昔から数えきれないほどの種類が出ているだろう作品だが、これは絵がちがう。淡いパステル系で
塗られた、いわゆる「萌え」系の、カワイイ絵の「アリス」なのである。
正式には『POP WORLD ふしぎの国のアリス』というこの絵本、絵を担当する「ぽっぷ」さんとは、
ベストセラーになった『もえたん』でおなじみの作家なのである。いわゆる「萌え」の世界の第一人者な
わけだが、なにがすごいって、この本、児童書などに強いポプラ社から出ているというのが一番
すごい気がする。
絵はたしかにきれいでカワイイ。売り場を見ていると、『萌え』という概念のない小さい女の子が
拒絶感なく手にしている。単にカワイイ絵の絵本としてとらえているようで、ウチの5歳の娘も、
「カワイ〜イ!」と、普通に喜んでいたし。どっちかというと、お母さんの許容のほうにかかっていそうだ。
気になるのは、対象にしているのは従来のファンなのか、子どもたちなのか、ということだが、
カテゴリーはあくまでも児童書。とはいえ、従来のファンが利用する機会の多い、同人誌などに強い
専門店にもちゃんと売られている。出版関係の知り合いによると、「ディズニープリンセスや、
『ラブandベリー』などが好きなような、オシャレな感覚をもった子に受け入れられていると思います」
とのこと。
大人から見たら「萌え」な絵も、子どもにとってはカワイイ絵のひとつとして、これからは当たり前に
定着してきていくのかも。ただし、女の子はいいが、男の子で過剰に興味を抱いていた場合。
“素質アリ”かもしれません。
http://excite.co.jp/News/bit/00091153935196.html